シアーズプログラム(Sears Program)は、 メタルギアの正史シリーズにおいて 1980年代に米国・CIAがリベリアで推進した”少年兵訓練プログラム”。 現地で計画を主導したのは、当時CIAの”準軍事要員”として活動していた ”ジョージ・シアーズ(後のソリダス・スネーク)”。 計画の名称は彼の名前に由来している。 当初『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ(以下、MGS2/2001年発売)』において ソリダスによるリベリアでの少年兵育成という過去が語られ、 後に『メタルギアライジング リベンジェンス(以下、MGR/2013年発売)』において その行為が米国・CIAにより組織的に行われていたことと、当時のソリダスの立場、 そして計画が『シアーズプログラム』と呼ばれていたことが明らかにされた。
MGS2では 同作のプレイヤーキャラクター”雷電(=ジャック)”が 少年時代にこの計画の被害者であったという悲痛な過去が明かされ、 彼とソリダスの因縁が物語の重要な要素のひとつになっている。 雷電によれば、 当時リベリアでは戦闘の強要のほかにも、毎日の食事に幻覚を引き起こすために火薬が混入されたり、イメージトレーニングとして 殺人が行われる映画などを観せられるなどといった洗脳行為も行われたとされる。 銃を取ることを拒む子どもたちは容赦なく殺されたという。 同作でソリダスは、自らの出生(恐るべき子供達計画)を理由とした 少年兵育成に対する個人的な動機も語っている。
MGRでは 世界中に”サイボーグ技術(人間の脳以外を強力な人工ボディに置き換える技術)”が拡散したという時勢が描かれる中で、 子供の脳をサイボーグ兵士用に売買するという民間軍事業界の新たな暗部が提示され、 彼らの脳に直接信号を送って軍事訓練を施す”VR(仮想)訓練”のモデルとして シアーズプログラムが採用されていることが語られる。 同作ではかつてのシアーズプログラムについて、人間が本来生まれ持っている”残虐性”を子どもたちから引き出し、 殺人マシンへと変貌させるための効率的なプロセスであると評されている。 ソリダスはすでに故人となっているが、 MGS2と同じくプレイヤーキャラクターを務める雷電が 再び自らの過去と少年兵の問題に向き合っていくというストーリーの中で、 その象徴のひとつとしてシアーズプログラムを振り返っている。