絶対兵士(Perfect Soldier)は、 メタルギアの正史シリーズにおいて 1960年代に米国・CIA(賢者達)が推進した強化兵士養成プロジェクト、およびその被検体となった兵士の総称。 1970年が舞台となる『メタルギアソリッド ポータブル・オプス(2006年発売/以下、MPO)』でその名が語られる。 同作では少年期の”フランク・イエーガー”が ”ヌル”という暗号名を持った絶対兵士として登場し、 ボスキャラクターの一人としてプレイヤーキャラクターである”ネイキッド・スネーク”の前に立ちふさがる。 なお、以下の記述はMPOの本編に加え 『メタルギアソリッド4 データベース(2008年配信)』の記述も参考にしている。
詳細は不明な部分が多いが、絶対兵士は 米国が共産圏から入手した脳生理学研究のデータを用いることによって確立した 『まったく新しい方法』と語られる特殊な訓練によって、 余計な記憶や感情、疑問を持たず、確実に任務をこなすために作られた究極の兵士であるとされる。 ”訓練”は非常に高度な身体能力・判断力・戦闘技術を身につけることも目的とされ、 MPOに登場したヌルは 人間離れした俊敏性・跳躍力によってマチェット(鉈)一本で銃を持った複数人の兵士を圧倒していた。
絶対兵士は一度任務を終えるたびに 五感のすべてをシャットアウトする特殊な”調整槽”によって 『記憶野の初期化』と『感覚神経の再調整』を受け、いわば”リセット”される。 調整槽は生命維持装置や電源ユニットなどと一体化しており、 絶対兵士の身体が収められる棺桶のようなカプセル部には培養液が満たされている。 一度の調整には約12時間を要する。
だが結果として、上記のような訓練、調整に耐えられるような人間はほとんど存在せず、 ヌル(フランク・イエーガー)を唯一の成功例として プロジェクトは破棄された。 彼の『ヌル(Null)』という暗号名は ドイツ語や英語で『無』を意味する言葉であり、 『破棄されたロストナンバー』という意味合いでの呼称である。
また、当時米国は絶対兵士を統率する戦闘指揮官を生み出すことを目的とした 『相続者計画』という計画にも取り組んでいた。 そのため、当初は絶対兵士による部隊の編成が構想されていたのだと思われるが、 先述の通りその構想が実現することなく絶対兵士プロジェクトは破棄された。 だが、相続者計画はその成果として ヌル以上の戦闘能力を持った 兵士”ジーン”を造り出している。