アメリカ出身の女性兵士で、第二次世界大戦において コブラ部隊という特殊部隊を率い、連合国軍を勝利へと導いた伝説の英雄。 西側では”特殊部隊の母”、東側では”ヴォエヴォーダ(ロシア語で戦士)”の異名で呼ばれる。 戦士としての非常に優れた能力と女性としての魅力を兼ね備えており、彼女に魅了された人間は数知れない。 戦闘能力だけでなく、潜入工作員としても非常に高いスキルを有している。 イギリスの特殊部隊”SAS”所属時にはゼロと友人関係にあり、 また後に20世紀最強の兵士と呼ばれるビッグボスの師匠でもある。 コブラ部隊では”ザ・ボス”の他に”ザ・ジョイ(無上の歓喜)”というもう一つのコードネームも持っており、 同じく隊員のザ・ソローとは息の合ったコンビであった。 本名は不明。 近接戦闘術CQCの生みの親でもある。
彼女がコブラ部隊を率いていた頃、 アメリカ合衆国、中国、ソビエト連邦は同盟国として手を取り合って戦っていたが、 大戦の終結に伴い三大国は対立、政治的な争いを始めることとなった。 ザ・ボスは、敵味方が風向きのように変わる世界に反感を持つようになる。 また、その時勢の中で数え切れないほどの軍人や科学者が都合よく利用され苦しめられることになるのだが ザ・ボスもまさにそのひとりであった。 彼女は祖国アメリカが他国と続ける争い、特に宇宙開発競争において表に出せない汚れ仕事を幾度となく押し付けられた。 しかし、彼女は最期の時までアメリカに対して献身的な姿勢を貫いた。 ザ・ボスは自分自身の評価よりも祖国の発展と世界平和を心の底から願い、 自分の力が人類の進歩に役立つことを純粋に喜んでいたのだった。 また、1961年に宇宙飛行士として宇宙から何の線引きもない地球の姿を目の当たりにすることで さらに争いの無意味さを痛感し、『隔たりのない世界』を実現したいという夢を抱く。 彼女はこういった生き方について、『自分に忠を尽くす』という言葉で自らの弟子ジョンに語っている。 世の中には人間が育つ環境の数だけ異なる”道徳”が存在している。 この世に真の正しさは存在しないが、だからこそ彼女は屈強な意志で自分の信じる正しさを貫き続けたのだった。
MGS3においてザ・ボスはネイキッド・スネークとの戦いに挑む直前、彼に自らの過去について打ち明ける中で 1961年にCIA主導のキューバ奪還作戦(コスチノス湾事件)に参加していたという経歴が語られている。 実はこれは偽りの経歴であり、米政府がマーキュリー計画に彼女が参加していた事実を隠蔽するために用意したカバーストーリーであったことが MGS PWにおけるEVAの音声テープで明らかになっている。 また、宇宙飛行に飛び立った年についてもMGS3では1960年と語られたが 音声テープでは1961年、ソ連のボストーク1号打ち上げと同日であったとされている。 彼女が史実と差異のある経歴を語ったことについてはもちろん制作陣側でのシナリオ修正という可能性が大きいが、 ストーリー的な観点ではザ・ボスは自分の人生における一番闇の部分について それをスネークに伝えるタイミングも含めてEVAに一任していたこと、 賢者達に纏わるしがらみにスネークを巻き込みたくないという想いがあったという捉え方ができる。